身長の調子がわるい

筆はきまぐれ

人狼

 

いつものようにインスタのストーリーを死んだ目で眺めていた。

最近はみんなモニター越しにオンライン飲み会を開催しているらしい。

自分の周りではそんな話は持ち上がってこないので、実は神話かなんかの類なんだと思う。

 

中でもZoomを使ってオンライン人狼している人がいて、思い出したことがある。

 

そういえば人狼が苦手だった。

 

 

 

僕もまだ友達がいた頃には数人でワイワイと人狼で遊んだ記憶がある。

別にボロ負けしたわけでもないし、嫌いな人が輪の中にいたわけでもない。

ただ、どうしてかあまり気持ちのいい思い出ではなく、いま人狼をしようと言われてもやりたくない。今どんなに仲のいい友達に誘われても、たぶん丁重にお断りすると思う。

 

 

他にもそういう人いないのかなと思って調べてみたところ、案外少なくないらしい。

主な理由は、「ルールが複雑」「怒られた経験がある」「殺されると暇」とか。まあ、わかる。

けどそういうところじゃない気もする。

もっとこう、なんていうか、心の奥の方にたまるタイプの粘度の高い心地悪さ。

 

 

「声の大きいやつが有利」

あーそれだ、と思った。

 

 

偏見だけど人狼、やってることが演出上の合法的なイジメじゃん。

発言力のある人間がニュートラルな立場の人間を吸収していく流れ。数の暴力で一人を追い込んでいく空気。1ターン目のまだ何の確証もない段階で決まった人間を狙い撃つ暗黙の了解。

ゲームに勝つためにはイジメに加担しなければいけない、そんな雰囲気がある。

声が小さくて頭のいい人間よりも、頭が悪くて声がでかい人間のほうがゲーム強そうだし。

 

 

あとは、ゲームに勝つために周到な嘘を付く、ってのもなんだか気分が悪くなる原因かもしれない。

相手を騙したもん勝ちというルールの中で正々堂々と戦ったことがない。自分が陸上競技にしか浸かったことがないからだろうか。

ストレートの腕振りでフォークボールを投げたことはないし、スマッシュすると見せかけてヘアピンショットを入れたこともない。軽く転ばされただけでめちゃくちゃ痛そうに演技したこともないし、相手のピッチャーを汚い言葉で罵倒して動揺を誘ったこともない。

それぞれ、基本、ルールの範囲内で自分が勝つために全力で取り組んでいるんだから真っ当なやり方なんだと思う。ものによっては好きじゃないけど。

そういう経験が無さすぎるせいで、姑息な嘘にやたら神経をすり減らすのかも。

まあ、ゲームに入り込めていないだけと言われたらそれまでなんだろうけど。

 

 

人狼、社会だった。

人狼が強いひとは社会を生き抜くのが上手そう。

 

 

それでは